子宮蓄膿症(子宮破裂)(犬)②

今回は、子宮蓄膿症による子宮破裂をした症例を紹介します。

以前にも投稿させていただきましたが今回は、

腹腔内に膿が排出されて細菌性腹膜炎になっていました。

数日前から食欲がなく、嘔吐するということで来院されました。

触診するとお腹が張っておりさらにお腹が熱く熱があるようでした。

血液検査では貧血や臓器の異常は認められませんでしたが、血小板が19000/μlしかなく(最低でも200000/μlはないといけません)

CRPという急性の炎症を示す数値も測りきれないぐらい高くなっていました。

家ではじっとしているということでしたが意識はあり、おしっこもしていましたので

抗生剤と半日点滴をして手術を行うことにしました。

術中の出血のリスクもありましたので今回は輸血を一緒に行いました。

子宮が破れていない場合は大体2日ほどで退院することが多いですが

今回は1週間ほど入院しました。

退院時にはかなり元気になっておりその後の抜糸も問題なく終わりました。

今回は、重症な子でしたがどうにか元気になって良かったです。

少しでもいつもと調子が違うなという場合は、待たずにすぐに動物病院に行っていただけると

早期発見ができると思います。

いつも一緒にいる飼い主さんが一番気づきやすいと思いますので、注意していただければと思います。

*お腹を開けると水がたくさん溜まっていましたので注射器で吸ったところです。
 この液体を顕微鏡で確認すると大量の菌がいました。
*子宮が破れていた場所です。この場所からお腹の中に膿が大量に出たと考えられます。