犬の急性膵炎

10歳のMダックスの子で他院で2週間程度膵炎の治療を行っていたのですが、改善しないということで来院されました。

症状は元気、食欲がなく嘔吐を1日3−5回するということでした。

一般身体検査では発熱が認められました(40℃)。

現状を確認するため血液検査と超音波検査を行いました。

白血球、CRP(急性の炎症を示す値)、LIP(膵臓の酵素の値)は測定できないぐらいに高くなっていました。

画像検査では胃液が溜まっており(胃の動きが悪くなっている状況です)、膵臓の周りが白くなっていました(急性膵炎を疑うエコー所見です)。

*来院時の画像です。
 来院時の画像です。

臨床症状、血液検査、画像検査から急性膵炎が疑われました。

状態が悪くなってから長時間経っているため入院治療を行うことになりました。

入院3日目からは食欲が出てきて自分から食べるようになり、4日目に退院とし内服薬で治療することになりました。

その後はどんどん調子がよくなり、2週間目の血液検査ではLIP、CRPともに正常値まで戻り、画像検査でも大幅に改善していたため内服薬も終了としました。

今は食事を低脂肪食に変更してもらって元気に生活しています。

治療14日目の画像です。

急性膵炎は治療が遅れると命に関わる病気です。

急性膵炎でなかなか改善しなくて困っているオーナー様いらしたら是非ご相談ください。